水力発電の仕組み
水は高い所から低い所へと流れます。
高い所に位置する水は、低い所に位置する水に比べ、大きな位置エネルギーを有しています。
水力発電は、河川等を流れる水が持つ位置エネルギーを利用して水車を回転させ、
水車の回転エネルギーを発電機によって電気エネルギーに変換し、皆様の家庭や会社に電力を供給します。
位置エネルギーは、落差が大きいほど、また水の量が多いほど、大きくなります。
そのため水力発電所の出力は、主に「落差」と「流量」に依存します。
水力発電所の分類
水力発電所は、落差を得る方法の違いから大きく3種類に分類されます。
「ダム式水力発電所」は、ダムを築き人工池を作ることで落差と流量を確保し、発電を行います。
流量が多いときは水を溜めておくことができるため、必要に応じて発電量を調整することができます。
「ダム水路式水力発電所」では、ダム式と水路式を合わせた構造です。
ダムでせき止めた水を、適当な地点まで導水することで落差を得て、発電を行います。
ダム式と同様、流量が多いときは水を溜めることができるため、必要に応じて発電量を調整することができます。
「水路式水力発電所」は、河川や水路に取水堰を設置し、高落差が得られる地点まで導水して発電を行います。
近年では、砂防堰堤を取水堰として活用した発電所や、農業用設備を活用した発電所など、
既存の設備を用いた水路式水力発電所も建設されています。
中でも弊社は、水路式発電所の 100kW~1000kWほどの小水力発電事業を得意としております。
ダム式水力発電
ダム水路式水力発電
水路式水力発電
水力発電所の全体設備
水力発電所の中でも、弊社が得意としております「流れ込み式」の水力発電所の設備について紹介します。
取水設備
取水に必要な設備は取水設備と呼ばれます。
取水設備は、水をせきとめるための堰、せき止めた水を取り入れる取水口、ごみの流入を防ぐスクリーン、
発電所点検時に水の流入を制御する制水ゲートで構成されています。
砂防堰堤や農業用施設を用いた発電の場合は、既存の設備に取水機能を持たせることができます。
沈砂池
取水した水は、沈砂池に導水されます。沈砂池は小さなプールのような構造物です。
沈砂池では、取水した水混ざっている土砂などを沈殿させます。
水圧管路
沈砂池を流下した水は、水圧管に入り発電所まで送られます。
水圧管は、山肌などに露出して設置される他、既存の林道や道路に埋設される場合もあります。
発電所
発電所には、主に水車と発電機が設置されます。
発電所は電柱など配電設備まで近いことが望ましいとされています。